空間の展開はいよいよドラマ性を強め、エントランスホールへと進むとさらに私的な趣を深めていきます。光を放つ乳白色ガラスのカウンターに迎えられ、建物内へといざなうダイナミックで直線的な空間が姿を表します。ストイックな印象を構成する主役のひとつがバーガンティーレッドの壁面です。絶妙な質感と色味、そして光沢は、数回の焼き直しを経て実現したオリジナルタイルならではのもの。壁全体に用いて共用空間に鮮烈な印象を加えるモチーフとしました。ライムストーンの壁や、イタリア製タイルを敷いたフロアはエントランスと共通として、空間の連続性を演出。アイストップとして御影石の壁を据え、天井には乳白色ガラスを用いたトップライトを設けました。異なる素材のひとつひとつが本物の質を伝え、邸宅としての格を物語ります。また、明るさを少し抑えたシックなライティングにより、独創的なデザインを引き立てるなど繊細な感性を行き届かせました。この先には水と光の演出が待ちうけ、シークエンスごとに変奏されていく意外性に満ちた空間のドラマが続きます。 |